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しらたきはすき焼きの肉を固くするは間違いだった?
しらたきをすき焼きの牛肉のそばに置くと、肉が硬くなると言われています。
これは日本人のおよそ6割が知っている、今ではほとんど常識となっていました。
鍋奉行のような人に「しらたきと肉をくっつけるな!」と怒られた人は、数えきれないほどいるでしょう(笑)
牛肉と一番離れた場所におかれたしらたき。
挙句の果て、しらたきを投入すること自体を拒否!
くずきりやはるさめで代用する人も現れました。
すき焼きの定番具材なのに、一方的に憎まれ続けた不遇な食材、それがしらたき。
しかし、この「しらたき=肉を硬くする」説が、なんと誤解であったという調査結果が発表されました。
発表したのは日本こんにゃく協会。早速内容をチェックしましょう。
しらたきは肉硬化。誤解の根拠は?
しらたきが牛肉を硬くする、という説の根拠は、きれいな三段論法によるものでした。
- 根拠 しらたきに含まれる凝固剤(=水酸化カルシウム)がアルカリ性を含んでいる
- 根拠 しかるに、アルカリ性は、牛肉を固くする性質を持つ。
- 結論 したがって、しらたきを入れると牛肉が固くなる。
見事なまでの三段論法。これ以上ないほど完ぺきな理論です。
そして、それぞれの根拠は正しいものでした。
つまり、しらたきには水酸化カルシウムが含まれているのは正しい。
水酸化カルシウムがアルカリ性を持つことも正しい。
アルカリ性が牛肉を硬くすることも正しい。
疑問の余地がないように思える三段論法です。
この論拠に対して日本こんにゃく協会が立ち上がる!
日本こんにゃく協会というグループが、下記のような実験環境を作り、しらたきの牛肉に及ぼす影響を調べました。
検証の手順
以下の構成で、鍋を3つ用意する。
- しらたきなし、牛肉だけの鍋
- 水洗いしたしらたき、牛肉
- 下ゆで+水洗いのしらたき、牛肉
しらたきを水洗いするのは当然ですよね。
これら3つの鍋で、それぞれの肉の硬さを検証しました。
その結果は、なんと肉の硬さがまったく変わらなかったそうです。
検証結果
検証結果は以下の通りです。
・割りした(スープ)のPH値には差がなかった。
PH値はアルカリ性濃度を表す数値です。驚くべき結果です。
しらたきにアルカリ性の凝固剤は入っていることは確かなのですが。
日本こんにゃく協会の結論は、以下のようなものです。
すなわち、「しらたきはアルカリ性を含んでいる。しかし、すき焼きの中に溶けだし、肉の硬さに影響を及ぼしたりするほどのアルカリ性は含んでいない。」
とんでもない結論が出ました。冤罪でした。しらたきは無罪だったのです。
なぜ誤解が?
ではなぜ一体、このような誤解が生じたのでしょう?
このようなコメントがありました。
肉が固いことをしらたきのせいにしていた?
そもそも硬い牛肉を使っていたのだ、と。
一般的な家庭では、そんなに高い肉を買えない。
安い肉を買って、煮込むとどうしたって硬くなる。
そのことについて、いやこれは牛肉のせいではないのだ。しらたきのせいなのだ。
こんなふうに、いつしか言われるようになったのではないか、という意見がありました。
まさにレトリックのねつ造。非常におもしろいですね。
すき焼きには遠慮なくしらたきを入れよう
しらたきに対する長年の誤解が、晴れました。
しらたきはこんにゃくの一種で、食物繊維が豊富。
高カロリーなものと一緒に食べることによって、余計なカロリー吸収を抑えてくれる働きがあります。
ちなみにこんにゃくのことは、こちらのコンビニおかずの記事でも書いています。
(関連記事)シチュエーション別!風邪でもダイエットでも使えるコンビニおかずたち!
すき焼きは高カロリーですから、しらたきは必要不可欠な具材ですね。
これからは安心して、しらたきをすき焼きに入れましょう!
これからは鍋奉行に文句を言われても
「しらたきを入れても入れなくても、割り下のPH値は同じなんだよ!」
と言えば、みんな言い返せませんね!(笑)